2. Story / ぎふのふ

 忙しない日常、街の中で、ふと立ち止まると、美しい自然が目の前にあり、時間は悠然とながれている。

 経済力とは無縁の、誰もが享受しうるもの──。

 岐阜には、そんな景観があります。

ⅰ. ぎふのふ 設立。

 2016年に初めて岐阜を訪れたとき、自然と街がほどよく寄り添う距離感、地域に根づく文化の豊かさ、ダイナミックなパノラマの中に暮らす、そんなライフスタイルを想像し、私は、岐阜市へ住み続けたい、と思いました。

 一度、憧れたその生活を始めると、想像を超えたいくつもの恩恵をもたらしてくれました。


 『景色だけではなく、世の中には、経済力にかかわらず、享受できるもの・すべきものがある』


 そんな確信に限りなく近い信念のもと、 2017年、任意団体「ぎふのふ」を設立。


 「ぎふのふ」 名称の由来は、岐阜の”阜”。

 ”阜”を字典でひくとき、<ぎふのふ> と説明されていることがあります。

 日本では、“岐阜”と書くときにしか使われない字。

 それしかない、そこから始まる、そのオリジナル性にちなんでいます。

 * ぎふのふの、ロゴ・モチーフにもなっています。


ぎふのふ は オリジナル企画を提案します。


ぎふのふの活動を支えているのは、企画のタネと、人の熱意。それだけです。
岐阜市を拠点にしていますが、所在地はまだなく、専門家集団でもありません。

企画のタネだけを持って、その道のベテランや、地域に散らばるアイデアマンを訪ねます。

そこで出会ったひとたちと一緒に、新しいイベントのアイデアを発芽させ、

それぞれが持つ知見や協力を、陽光のごとくたっぷりと浴びさせながら、

ひとつの企画として、伸ばし、育て上げていきます。

 かかわるひとが無理をしない、地球に負荷を極力かけないスタイルで、

 現代という時代の文脈を汲みながら、同じ時代に生きるひとたちが持つ、

  見てみたい・深く知りたい <知的好奇心> や、

  やってみたい <創作意欲> をくすぐるような、

 ありそうだけど、だれもやらなかった、面白い企画を独自の切り口で、

 学校でも職場でも、テーマパークでも体験できないようなオリジナリティを持って、

 世の中に提案していきたいと考えています。


家のこと、仕事のこと、健康のこと、そして地球のこと──

現代人には ”気がかり" が意外と多い。

心配事があると、どんなに面白いことも、こころから楽しむって、案外難しいと思うのです。


 "面白いことを、こころから楽しめる”

 そんな場を、岐阜の地から発信していきたいと思います。


2018年4月, 岐阜

ぎふのふ 代表

関 愛子

ぎふのふ──そのすべてがオリジナル──

ⅱ. サステナブルアートジャパン by ぎふのふ

同じく2017年、任意団体「サステナブルアートジャパン by ぎふのふ」を設立。


アートは、お金がかかる───


そんな通説で、創作を諦めるのは、子どもたちだけではありません。


東日本大震災の翌年、私は、旧知のアーティストから、経済力の不足を理由に筆を折ると告げられました。

文化も技術も豊かな時代、いまや、だれもが(もちろんそれぞれに制約はありながらも)自由を謳歌できる世の中にあって、

プロになる前の、才能ある者が、その才能をさらに磨いていける場所は、どれほどあるのだろうか。 学校? 教室? お金を払って、教わりにいくしかない?

彼の才能を惜しみ、彼のように、場所があれば、材料があれば、 ── 教える人がいなくても ── 創作活動を続けることができるひとたちを支える仕組みとは、どんなものか、を模索しはじめました。

あれから、5年を過ぎた年、岐阜市を拠点に活動を開始しました。


 生活を支えられないからアーティストとしての活動を諦めなければいけない人。

 忙しすぎて、創作への意欲を忘れてしまいそうな人。

 画材はあるけど、開く余裕のない人。

 諸々の事情で、描くことをやめてしまった人たちへ。


そんなひとたちがいる一方で、


 まだ使えるかも? の思いを断ち切り、使わないことを選択し、手放す人がいます。

 流通が格段に便利になり、いつでも何でもどこからでもすぐに届く現代、

 「不要なモノ」は意図せず増え続ける.....それがなくなれば、スペースももっと活用できるのにもったいない。


地域内で、両者をつなげ、モノを循環させることで、それぞれの意思は、互いに支え合えるのでは?

そんな信念のもと、地域で不要になった画材を集め、貸し出す仕組みの具現化をすすめています。


日常に慣らされ見過ごされがちな、地球規模の社会問題。

しかし、誰もが無関係ではいられない課題へ、地域のなかで個人ができるレベルから、アプローチできることは、まだあります。


「地域に還元・未来に貢献」を第一義として、

『"もったいない"を変えていく』 活動を推進しています。


2018年4月, 岐阜

サステナブルアートジャパン 主宰

関 愛子

──つづけたいひとへ、ずっとつづけられる環境を。──

サステナブルアートジャパン by ぎふのふ